夫婦喧嘩で仲直りのきっかけはどうやって作るのか

前回の記事にて夫婦喧嘩の仲直りの秘訣を紹介させていただきました。

そこではコミュニケーション(関わり方)を変えてみるという提案でしたが、実際のところ、冷えきっている夫婦や、仲直りについて会話をすること自体が難しい状況に陥っているという夫婦もあるかと思います。

今回はそういった場合、どのようにコミュニケーションを回復していくのかについて書かせていただこうと思います。

仲直りするためには、会話のきっかけをつくる


私のところには、長年の不仲で冷め切った夫婦などがよく来られます。

喧嘩と言っても、つい最近初めて起きてしまったことならば、原因をちゃんと捉えて、お互いがわかり合えば済む話が多いと思います。

でも、何度言っても変わらないとか、自分が何をしてみたところで相手は変わろうとはしてくれないというような状態が続き、既に諦めてしまっているなら、会話そのものが難しくなっていることが多いですから、そのときはもう対策自体が意味がないと思ってしまうかもしれません。

私は家族療法を扱うカウンセラーです。

家族療法にも幾つかの種類がありますが、その中でも私は解決志向という考え方を重視しているカウンセラーの一人です。

解決志向というのは、原因がわからなくても、これから良いことが起きていくなら良しとする考え方で、わかりきった原因があっても変えられないような問題にも向いている未来に起きることを変える為の技術です。

そして解決志向で長年続く夫婦喧嘩の仲直りをしていこうとするときの取り組み方というものがあります。

それがいきなり仲直りの本番を始めようとするのではなく、そういったことが話しあえたり、話しあえずとも自然に仲直りが進んでいくようなきっかけをつくっていくのです。

一つ、仲直りのきっかけとなった例を書かせていただきます。

ある夫婦は結婚して10年が経ち、一人授かった子どもは3歳。周囲には安定した家庭生活を送っているように見えていますが、家では喧嘩ばかりで、お互いに離婚を考えていました。

その二人が抱える問題を別々に聞いてみると、価値観が違うから自分の気持ちをわかってもらえない妻と、セックスレスを問題視する夫という別々のものでした。

妻は気持ちの通じ合えない人とセックスなどしたくないという状態になっていましたし、夫はセックスができない夫婦なんて意味がないと思っていたようです。

どちらも時々聞く話しではあります。

またセックスレスの原因の一つとして、子どもが一緒に寝ているからというのもあったようです。

そんな夫婦が、たまたま子ども連れで遠方の友人夫婦をたずねていったときのことです。

お互いの夫婦が知り合いの夫婦で話が盛り上がり、車で来ていたこともあったためか、お酒も交えてもっと話したいということで、友人夫婦ぶ泊まっていくことを勧められました。

二人は迷いましたが、子ども達も楽しそうに遊んでいた為、そうすることにしました。

この日に限り、あまり普段お酒を飲まない妻も、話の弾みに合わせて何杯も飲んでしまっていました。

そして案の定、妻はそのまま床に寝そべって眠ってしまいました。

子どもは既に子ども部屋で一緒に眠っており、妻は普段使っていないロフトのベッドに連れて行かれ、眠りました。

それから少しの時間、夫は友人夫婦と楽しく話し、妻が眠るロフトのベッドで一緒に眠りました。

しかし、お酒のせいか、夜中に何度もトイレに行きたくなってしまいました。

しかし、妻はロフトのハシゴの近くに寝ているので、自分は何度もその上を身体が触れ合いながら越えていかなければなりません。

そんなことを何度もやっているうちに、夫はそんな気がしてきてしまいました。

妻は普段なら嫌がってしまうので、お酒のせいで頭がフラフラしており、いつの間にかセックスをしていました。

妻はこのようなことがなければ、もう夫とセックスをする気はなかったようですが、なんとなくそれから時々セックスを受け入れるようになりました。

夫は性欲が満たされているからか、妻の話を以前よりも受け入れることが増え、いつの間にか二人の頭に離婚という言葉が浮かぶことはなくなりました。

この話で言うところのきっかけはどこにあったのでしょうか。

仲直りのきっかけは予想外のところにある


長年続く夫婦喧嘩の場合、もうお互いの何が嫌だというような話は、だいたい決まっています。

しかし、それをどうにかしようにも、予想できる範囲の行動ではどうにもならないから、そこまで続いてしまっているのでしょう。

そこで大切なのは、自分でも予想できないような結果が出ることをやってみるということなのです。

このことを上の例で話すなら、家族で遠方の友人宅を尋ねたということになるのだと思いますが、これは頻繁にやれることではありませんから、皆様に必ずこれをやってほしいということではありません。

大切なことは、この予想外の行動をどうやって作り出していくのかという話になります。

予想外と言っても、よく言うところのサプライズという話しではありません。

狙ったサプライズは、冷えきった夫婦問題では、マイナスの結果を引き起こすことが多いので、私はオススメしておりません。

近々の記事で、この良い意味での予想外の結果を起こす行動について書かせていただこうと思います。

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